日本の自動車保険、なんで通販型は安いの? ― もし代理店手数料が“見える化”されたら

番外編(大きな声では言えないけれど)

通販型って、なんで安いの?

「通販型は安い」ってよく言われますよね。でも「安いのは補償が弱いからじゃない?」って思ってる人も多いはず。実はそうじゃなくて、**代理店にかかるコストがすごく小さいから**なんです。

代理店手数料の仕組み

ここをちゃんと整理しておきましょう。

代理店型
街の保険代理店やディーラーが主役。契約や更新、事故の相談までまとめて担当します。
その分、手数料は大きめ(保険料の15〜20%前後が目安)。

通販型(ダイレクト型)
基本はネットや電話で直接契約します。
ただし一部では「紹介代理店」(比較サイトや提携代理店)が入り口になることもあって、ここでも少し手数料が発生します。
でもこの代理店は“つなぐだけ”に近いので、手数料は代理店型よりずっと低いんです。

だから通販型は安い

つまり通販型は「代理店が全くない」わけじゃないけど、- 代理店手数料が小さい – 代理店を管理する会社側の経費もほとんどいらないこの2つのおかげで、保険料をグッと抑えられるんです。

日本ではシェアはまだ1割もない

実は通販型って、まだ日本では全体の**8〜10%くらい**しかありません。ほとんどの人は代理店型。だから「通販型=安いけどちょっと不安」というイメージも根強いんですね。

欧米ではもっと進んでる

ドイツでは通販型が**25%前後**、アメリカではGEICOやProgressiveみたいなダイレクト系がむしろ主流。「代理店経由が普通」というのは、実は日本の特徴なんです。

ヨーロッパで進む“手数料の透明化”

欧州では「代理店がどこからお金をもらっているか」を顧客に説明するルールがあります。さらに、国によってはもっと厳しくて、- オランダ → コミッション禁止! 顧客から直接フィーをもらう方式へ – イギリス → 投資商品ではコミッション禁止 – ドイツ → 請求すれば手数料の金額を教えてもらえるこんな具合に「見える化」がどんどん進んでいます。

もし日本でも手数料が公開されたら?

考えられる未来はこんな感じです:

価格差が一目でわかる
→ 「通販型が安いのは補償が薄いからじゃなく、代理店コストが小さいからだ」とみんな理解する。

通販型のシェアが伸びる
→ 今の8〜10%が、数年で15%くらいになる可能性あり。

代理店の役割が変わる
→ 「販売の人」から「相談に乗る人」へ。いわば“保険アドバイザー”としての価値が問われる。

注意点もある

もちろん、手数料を見える化すればいいことばかりではありません。- 値段だけで選ぶ人が増えて、補償の中身を見落とすリスク – 比較サイト頼みになって、今度は“広告費”が別のコストになる可能性

まとめ:透明化が市場を変えるかも

日本は今、代理店経由が約9割。でももし欧州のように「代理店手数料の開示」が進めば、- 保険料は少し下がる – 通販型は今の倍くらいにシェアが広がる – 代理店は“相談のプロ”へシフト

「通販型は安いけど大丈夫?」という疑問の答えはこうです。
安いのは補償が薄いからじゃなくて、代理店コストが小さいから。
そのことがもっと広まれば、日本の自動車保険の常識も大きく変わるかもしれません。